男の夢は
最強の城を築くことだった
誰も攻め入る事が出来ない
邪気や悪霊すら
近づくことが出来ない
最強の城を
なだらかな丘陵が広がる武蔵野台地では
川筋も定まらない流れが海を目指し
時に暴れ出し人々を襲った
男は城の鬼門の方角に
堤を築造し柳の森を創り
神社を配置することで
あらゆるものの鬼門からの侵入を防いだ
徳川家康が江戸に入るずっと前
江戸城は太田道灌が創った
その位置は正確にはわかっていないが
今の皇居の平川門辺りという説がある
試しに地図上で柳森神社から
平川門に向かって線を引いてみる
線を延長すると平河天神にぶつかり
反対方向は鳥越神社にぶつかる
鳥越神社は道灌以前からあったもの
鳥越神社と城を結ぶ線上に
柳森神社を置いたのかもしれない
平河天神は道灌が城内に菅原道真を祀ったもの
家康による城の拡張にあたり遷されたという
徳川のブレインは道灌の意図を理解していたらしい
神社は単なる信仰施設なんかではない
城を狙う敵の侵入を防ぐ
正真正銘の軍事施設なのだ
道灌は城の周りに幾つもの神社を配置し
最強の城を江戸の地に築いたのだ
神社の配置には相応のロジックがあっただろう
ビルや道路を造るからと
適当に神社を遷したり壊したりなんて
何が起きても知らないぜ
柳森神社
東京都千代田区神田須田町2-25-1
セコメントをする