浅草神社
2013-05-19


浅草神社の祭神は三社様
土師真中知ハジノマナカチ
檜前浜成ヒノクマハマナリ
檜前武成ヒノクマタケナリ
という記紀神話などには登場しない
非常にローカルな神様である

前面には超有名な浅草寺を配し
明治の廃仏毀釈を力強く乗り切った
非常にユニークな神社である

東京の地は古来より
東国の覇権争いの大舞台だ
出雲族など異国の流入
大和朝廷による東夷征伐
平将門の東国支配の夢
太田道灌による江戸開城
そしてまたもや西から来た
征夷大将軍や新政府や天皇による支配

豪族の長が一族の象徴として神格化されるのが
記紀に登場する神様の原型だとすると
幾多の変遷により消滅していった神様(=豪族)も
少なくないであろう

そんな中
浜成、武成兄弟による隅田川からの
観音像引き上げ伝説や
土師真中知による浅草寺起源の話の陰に
この地の豪族の
生き残りを賭けた仕掛けを
見ることは出来ないだろうか

当時まだ新興であった仏教をいち早く取り入れ
観音像というシンボリックな偶像を置き
奇怪な伝説のもと
民衆の支持を集めていく

後からやってきた支配者達は
おろそかに破壊する訳にもいかず
江戸幕府にいたっては
家康を合祀までしている

近代においては
娯楽遊興の発信地となり
現在では日本を代表する観光スポットである
こうなってはもう
どんな支配者も為す術はないだろう

古代にそんなシナリオを描いた
知恵ある一族が存在したという想像は
果たして無効であろうか

支配と征服の歴史の中で
祭りの熱狂と酔狂の陰で
名前も残らず形も変えたが
この地の始まりにいた人々の思いは
しぶとく生き続けているに違いない
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浅草神社
東京都台東区浅草2丁目3-1


[台東区]
[三社様]

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