葛木二上神社
2017-05-21



中大兄皇子と大海人皇子は兄弟である
兄貴が天皇の御前で蘇我入鹿を殺す場面を
弟はどのように見ただろう

兄貴が天皇となり
兄貴の娘たちを次々と妃に迎えた時
弟は何を思っただろう

兄貴の世は終わりを迎え
弟は挙兵する
兄貴が皇位を継がせたかった
兄貴の息子の大友皇子を
自殺にまで追い込んだ

天武天皇つまり大海人の息子
大津皇子と草壁皇子は腹違いの兄弟である
母親はともに天智天皇つまり中大兄の娘
姉妹である
姉の大田皇女が大津皇子の母親
妹の〓野讚良皇女が草壁皇子の母親

姉は夫の即位前に死んでしまった
大津皇子はこの時5歳
妹は何を思ったろう
将来自ら女帝となるこの妹
この時何を思ったろう

天武天皇が崩御
殯も終わらぬその最中
大津皇子が謀反の疑いで捕らえられた
翌日自邸にて自殺
24歳であった

大津皇子は優れていた
人望厚く
誰もが次の皇位にと
口には出さずとも
思っていた

妹は息子を皇位にと強く願っていた
姉の息子の優秀さを横目で睨んでいた
姉の息子亡き後
彼女は狂喜したに違いない
だがその願いむなしく
息子草壁皇子は3年後に死んでしまう

思い当たることでもあったのか
息子の死は怨霊の仕業であると
一旦葬られた大津皇子の遺体を
二上山の山頂に改めて葬る
そこにはあの
大和の地を最初に治めた
ニギハヤヒとその息子が
名前を変えて祀られている

古代の天皇家は
入り組んだ近親婚の連続で
近親故の怨恨なのか
奇怪な歴史が幾重にも刻まれる
権力欲と兄弟姉妹の確執
現代においても
皇位継承の議論は囂しい

そんな中
皇女と海の王子の物語は
誰かの欲や確執とは無縁の
21世紀のお伽噺に
なってほしいものだ

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葛木二上神社
奈良県葛城市加守 二上山雄岳山頂
主祭神 豊布都魂神 大国魂神

[饒速日命]
[奈良]

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