二宮神社〓武蔵国二之宮
2017-11-12



綺羅と輝くのは王の墓
この巨大な墳墓の横を悠々と過ぎるのは
片目の男達の集団
彼等は突然現れた
樹木を悉く伐採し
風を読み火を自在に操った

火処は赤く火照っていた
男はそれを覗き続ける
中は何処までも紅く滾り
片目でそれを覗き続ける
眼球が潰れても構やしねえ
これが俺の仕事だからな

東京都あきる野市にある二宮神社は
その名の通り武蔵国の二宮であったと伝わる
祭神は国常立尊クニトコタチノミコト
記紀の冒頭に出てくる
世界がぼんやりしてるトコに
最初の方に現れる聖書風の神様だ

訪れてみるとよくわかるが
神社は古墳の上に建っている
後から来た奴らが
行政的な神様を乗せることで
民衆に力を見せつけるパターンだろうか
古墳の主人は相当に
強い権力と人徳を持っていたに違いない

古墳の主人が本当の祭神ということになろうか
はっきりしたことはわからない
ただ
ここの神様は片目であるという伝説がある
そして
顔面を模した把手が付随する土器が
境内つまり古墳から出土している
この顔面
片目なのだ
細くつり上がった目
片目が明らかに
意図的に切られている様を表現している

それから
本殿を見守るように脇に建っているのが
荒波々伎神社アラハバキだ
関東以北に広く分布する
謎多き神様だという
それ故に
時の行政に嫌われ迫害され消されていった
切ない神様なのだ

片目は製鉄に関連する
炉の火を見つめ続ける製鉄職人は
いつしか目を潰してしまうのだという
アラハバキのアラは鉄の古語という説がある
アラ吐き
炉口から流れ出す鉄のイメージだろうか

鉄は時代に求められ
砂鉄を産する川と
谷を吹き抜ける風と
燃料とする樹木を探し
人々は大規模に移動する

二宮として位置づけるほど
ここを疎かにできない事情
ここもやはり
出雲の王国が進出していたと見たいが

片目を潰してでも鉄を作り続けた人々
その出来上がりはきっと
数値の改竄など
必要なかったに違いない

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二宮神社
東京都あきる野市二宮2252番地

[多摩地区]
[アラハバキ神]
[国常立尊]

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